Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lisez 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 267 766 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

が、その面立は母親に似ていて、美しい輪郭を持っていた。片手を無心に上へのばして母親の肩の上へ掛けていたが、月光に磁器のように白く脆く見えた。母親がおぼつかなく歩くにつれて、子供の顔は母の肩の上で、ガクリガクリと動揺した。それでも眼ざめようとしないのは泣き疲れて眠りにはいったからであろう。と、眼の下の頬の上に何やら水のように濡れているものが、今、母親がフラリフラリと歩き、そのため子供の顔が揺れて、ちょっとばかり空のほうへ向いた時に、月の光で照らし出された。子供の流した涙らしい。

と、子を背負った女の姿が、闇に呑まれて見えなくなった。月光のたまりからそれたからである。が、まもなく狭い横丁の、闇に埋められている暗い中から、子守唄の声が流れて来た。

※(歌記号、1-3-28)あの山越えて行く時は、里の土産に何持たむ。……

すぐに女の声が聞こえた。

「坊や、お眠り、よい子だねえ。……竹太郎はよい子でございます、泣きもむずかりもいたしませぬ。鉦に太鼓に笙の笛、赤い鼻緒の下駄持たむ……」

――と、子を背負った女の姿が月の光に照らし出された。凹んでいる家がそこにあって、そこだけの空地へ空の月が、光をこぼしているがために、できている月光のたまりの圏内へ、女がはいって行ったからであった。