Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

Lisez 娘煙術師 (むすめえんじゅつし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 267 766 caractères · 530 écrans

Aozora Bunko

鴫丸様でございます」

「フーッ」と金兵衛は笑いを吹いた。「鴫丸様の『様』はあるまい。相変わらずのお前さんだ。あの時はたしか自分のことを芸人衆様といっていたっけ」

「へいさようでございます。芸人衆様の鴫丸様が、わたくしなのでございますよ。で、役目といいますれば……」

「わかっているよ、こうなんだろう。『軽い口上を申し上げまして、お上品にお客様衆を笑わせる』途方もなくりっぱな口上いいなんだろう?」

「よくご存知でございますな」こういうと鴫丸は不審しそうに、金兵衛の顔へ押し据えた眼を、パチリパチリとしばたたいたが、「あなた様はどなた様でございますかな?」

「見忘れたかね、無理はない、お前さんと逢って話をしたのは、今年の春の霞の深かった晩で、今は霧の立つ秋の夜だからなあ。半年以上もたっているだろうよ。が、俺は覚えているよ。京都で逢って話をしたはずだ。千本お屋敷のご用地の露路でね。ね、そうだろう思い出すだろうがね」

すると鴫丸の魯鈍そうな眼へ、喜びの色がかすかにさした。

「あッ、さようでございました。そうそう私も覚えております。あの時にはたいそうご親切に、私をお呼び止めくださいまして、いろいろお言葉をくださいましたはずで、まことに有難う存じました」