Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

Lisez 宮本武蔵 (みやもとむさし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 185 809 caractères · 369 écrans

Aozora Bunko

「いや、ちとな、その腫物ができたので」

と、誤魔化したが、

「わははは」

と、皆笑いくずれ、

「旅土産は、腫物でござったか」

「できものに閉じ蓋」

「頭かくして尻かくさず」

「論より証拠」

「犬も歩けば――」

などと駄洒落をいって、誰も藤次のいいわけを真に受けないのである。

その晩は、酒の興で済んだが、次の日になるとこの同勢が、ゆうべとは打って変って、旅舎のすぐ裏の浜辺に出て、天下の大事でも議すように、

「怪しからん沙汰だ」

と、肩を昂げ、唾をとばし、肱を突っ張って、小松の生えている砂地に円く坐っていた。

「――だが慥かか、その話は」

「この耳で、おれが聞いたのだ、おれが嘘をいうと思うのか」

「まあ、そう怒るな、怒ってみたところで仕方がない」

「仕方がないで黙過することはできん。いやしくも天下の兵法所をもって任じる吉岡道場の名折れだ、断じて、これを捨ておくことはできないぞ」

「しからば、どうするのだ」

「これからでも遅くあるまい。その小猿を連れて歩いている前髪の武者修行を捜し出す! どんなことをしても捜し出す! そして、彼奴の髷をちょん切って、祇園藤次ずれの恥辱じゃない、吉岡道場の存在を厳かにする。