Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans

Aozora Bunko

新時代の女性の通性として、彼女は男性的の性格を多分に具え、理性が比較的発達して居た。彼女の容貌は美しく、態度がきびきびして居た。そうした彼女の性格が女性的分子の多い静也を引きつけるのは当然であった。静也は京助を訪ねる毎に、敏子の方へぐんぐん引きつけられて行った。

京助は彼と同級生で、今年の春敏子と結婚し、郊外の文化住宅に住って居た。彼は別にこれという特徴のない平凡人であった。平凡人の常として、彼はふとって、鼻の下に鰌髭を貯えて居た。然しその平凡人であるところが新時代の女性には気に入るらしい。実際また、京助のような平凡人でなくては、新時代の女性に奉仕することは困難である。その証拠に、ある天才音楽家は新らしい女を妻として、帝国劇場のオーケストラで指揮をして居る最中に俄然卒倒した。招かれた医師は、患者のポケットに、一回一錠と書かれた薬剤の瓶を発見して、その卒倒の原因を確めることが出来た。又、ある代議士は、議会で八百万円事件というのに関聯して査問に附せられた。彼は衆議院の壇上で、「嘘八百万円とはこのことだ」と、苦しい洒落を言って、その夜インフルエンザに罹った。