Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans

Aozora Bunko

なに? ちっとも知らないって? それは君、ちと、迂闊ではないか。君が僕を毒殺するために、そういうドラマチックな計画をして置きながら、殺すべき相手の現状を委しく調査しなかったというのは、大きな手ぬかりではないか。幸いに僕が自殺を計っても死ななかったからよいものの、もし僕が自殺を遂げて居たら、折角、致死量のストリヒニンでも死なぬからだを苦心して拵えたとて、何の役にも立たなかったじゃないか。

君のその旺盛な復讐心に水を注すようなことは僕もいいたくないけれど、順序として一応、僕が自殺を欲している理由を話して置こう。君、僕は、君を毒殺したと思うなり、爆裂弾をもって、自分の身体を粉微塵にしようと思ったのだよ。ところが、爆裂弾の破裂したときに僕は、左の片頬と両腕と両脚とをもぎ取られ、鳩尾のところに大きな穴をあけられたに拘らず不思議にも死ねなかったのだよ。君、人間の生命というものは強いときには馬鹿に強いものではないか。尤も僕は一時人事不省に陥ったが気がついて見るとこの病院にかつぎ込まれて居たのだ。そうして人々は僕が災難のために負傷したものと考えたのだが、僕は医員の一人に自殺を企てたことを話したよ。