Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みっつのあざ

怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集

小酒井 不木

Lisez 怪奇探偵小説名作選1 小酒井不木集 (みっつのあざ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 196 140 caractères · 396 écrans

Aozora Bunko

「いつから巣鴨へ移ったね?」

「四日前です」

「また何処かへ移るつもりだったかね?」

「…………」

「君たちは二人ぎりだったか?」

「二人ぎりです」

「女づれが一人あっただろう」

「ありません」

「よろしい」こういって警部は平岡を退かせ、鬼頭の訊問をするために朝井刑事を招いた。朝井刑事はうれしそうな顔をしてはいって来た。

「ありましたありました。鬼頭は園田仙吉といって、窃盗のために二年市ヶ谷刑務所で服役し、昨年八月出ました」

「何? 園田?」

「はあ」

「殺された女が死に際に書いた文字は?」

「ツノダです」

「ふむ。ツノダにソノダ。地面の文字の写真を持って来てくれたまえ」

写真には、はっきり「ツ」の字があらわれて居て、「ソ」の字とは間違うべくもなかった。

「よろしい、園田をつれて来てくれたまえ」

連れられて来た男は、三十ばかりの筋骨のたくましい、色の浅黒い、どちらかというと美男子であった。

「園田君……いや、鬼頭君、君は平岡君と、どういう訳で、一しょに住うようになったか?」

「地震の時、私が救ったのがもとで、兄弟の約束を結びました」

「君は昨晩何処へ行ったか?」

「何処へも行きはしません」