Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
下では、山将の花栄、秦明、林冲など、
「高廉は、どこ?」
「雑兵なんどに目をくれるな」
「高廉をさがせ。あの妖官を逃がすな」
と、弓の弦を引きしぼって喚き求めていたのである。
するうちに。
「――あッ」
誰かが叫んだ。眼を射られたかのように目へ肱を曲げて空を指した。
見ると、一朶の黒雲が望楼を繞って、望楼をスウと離れてゆく。――チカチカッと墨の中で何かが光った。光が眸を拒むのである。だが痛みを怺えて凝視すると、それは一本の剣の剣光にちがいない。しかもぼうっと高廉の姿も見え、太阿の印をむすび、雲を踏んでいるものだった。そしてみるみる西南の空へ移行していた。
「や、やっ」
「妖人め」
矢さけび起して無数な矢が雲を追った。雲を縫った。
しかし、ゲラゲラと雲は笑う。
このとき、これを知った宋江も呉用もまったくあわてた。指揮に声をからしても、ほどこすすべすらなかったからである。そして「一清はどこに。一清公孫勝は何をしているか」とあたりへどなった。
知らぬではない。公孫勝もこれを見ていた。
彼は州城内の一宇、霧谷観と額のある堂の真ン前に佇んで、虚空を仰いでいたのであり、師から授かった“五雷天”の秘咒に気魂を凝らしていたのだった。