Classiques japonais avec furigana
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しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
そして香羅の手を襟に巻き帯には伊達な挿し扇、の簪には、季節の花。
さらに、これを脱げば、雪白の肌に、目のさめるような美しい刺青ももっている。
生れながらの、北京ッ子だった。
幼少、両親を亡くし、盧の大旦那にひきとられて、わが子同様に愛育されてきた者だ。
かねにあかせた名人刺青師の仕事だけに、どこの刺青競べに出ても、ひけはとらない。笛、琴、胡弓、歌、踊り、天性すぐれざるなしでもある。――かつは一を知って十を知る悧発であるばかりでなく、四川弓と呼ぶ短弓を手挟み、わずか三本の矢を帯びて郊外に出れば、必ず百禽の獲物を夕景にはさげて帰るというのでも、その技の神技がわかろう。――ともかく相撲に出ても、遠乗りの騎にムチを打っても、北京の巷では花柳の妓までが、彼の姿を見れば、
浪子燕青 浪子燕青
と、まるで酔ったように謳い囃してやまないほどだった。――その瓊の面は、漆のひとみは、今、一同と共にじっと、盧の大旦那のくちもとを見まもっていた。
「おお、燕青も見えたな。……では、これからわしの意中を打ち明けるが、決して誰も止めないでくれよ」
と盧俊儀は、過日来の易の一条と、血光ノ災のこととを、語りだした。