Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
逃げッこはねえ、安心しなよ、兄さん」
「えっ、おめえの鼻紙挟みだと」
「手品師じゃねえが、まずご一覧に入れやしょう、たねも仕掛けもございませんとね。……証拠はこれさ」
両手を深く懐に差し入れて、何清は、鼻紙挟みを取り出した。薄べッたい革財布とともに、一冊の手帖が折畳んである。その手帖だけを、掌の上に残して。
「さて、これにはちょっと、いわく来歴の説明がなくッちゃおわかりになりますまいて。姉さん、そこの窓も後ろの扉も、みんな閉めておくんなさいな。壁にも耳、灯取り虫にも油断はならねえ。……よござんすかい、じつアねえ兄さん、こういうわけだ」
「……もう二た月ほど前。あれやあ六月の半頃ですがね」
何清は、声を沈めて語り出した。
「ごぞんじの安楽村に、王っていう安宿がありまさ。宿屋掟のご定法で、毎晩の泊り客には、行く先、職業、住所、年齢をちゃんと書かせる。――戸を卸して寝る時刻にゃ、そいつを帳場が書き写し、七日目ごとに、村名主に届けに行く。名主はまた、そいつを纒めて、月に一回、お役署へ届け出る。……ま、兄さんにゃ、こんな話は余計ごとだが、そういった手順でござんしょう」