Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
朱同、その道こそ、抜かッたら水が漏れるぞ。――おぬしに捕兵の半分をやる。ぬかりなく、隠し道を塞ぐこったな」
「いや、細道だから、そんな大勢はいらねえ。三十名もあれば沢山さ。じゃあ、おれから先発するぜ」
つづいて、偵察長も雷横も、騎馬となって、人数の先頭に立ち、宵闇まだきに、はや東渓村へ殺到した。
「や、や。火事だ」
「まさしく、あの方角は、荘院の屋敷」
「すわ。やつらの方でも、気づいている」
怒濤の声は、たちまちそこの表門をぶち破った。バチバチ燃えひらめく火光の裡を「――御用っ、御用っ」と叫ぶ刺叉、野太刀、棒、槍などを持った捕兵の影が、煙をくぐって躍り入る。
「火の手は、何ヵ所からも出ているぞ。――やいやい、深入りばかりが能ではねえ、こっちも見ろ。つい、そこらの物陰にも気をくばれよ」
雷横の大音が、しきりに声を嗄らしていた。
とはいえ、彼の腹には、晁蓋の旧情が思い出され、じつは何とかして、晁蓋を逃がしたいものと考えていたのである。――で、わざと声や物音ばかり荒々と立て、指揮者みずから、指揮をみだしていたものだった。
いや、彼のみならず、裏手へ廻った朱同の腹も、また然りであった。