Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
時分はよし、と武松は従卒に命じて、卓の酒さかなを、一応退げさせた。そして彼自身が、卓上を拭き浄めだしたので、客一同も機は今と見たように、挙ッて帰りかけようとした。
「おッと。まだまだ、お話はこれからだ。ええと……お立会いの皆さん、この中で文字が書けるのはどなたですえ」
「……?」
なんのことやら、わけはわからないが、自然、小役人上がりの胡正の顔へ、みんなの横眼がうごいていた。
「ははあ。酒屋の胡正さん。あんたがこの中では手書きとみえるな。ご苦労だが、ひとつ書き役を勤めてもらいたい」
すでに、従兵の一人は、胡正の前に、用意の筆墨と料紙を突きつけている。いや一同がぎょッとしたのは、それではない。
とたんに、異様な精気に膨んだ武松の五体が眼をひいた。左右の諸袖をたくし上げ、内ぶところからは短剣の柄頭をグイと揉み出して、その鯉口をぷッつり切った。――同時に、あッというまもない。ひだりの猿臂は、嫂の金蓮の襟元をつかみ、右手は王婆の方を指さしていたのである。
「みなさん……。どうかじっとそのままに。決して決して、みなさんにご迷惑はおかけしません。ただ武松は、仇には仇をもって、見せしめを、お目にかけるだけのこと。