Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しん・すいこでん
新・水滸伝
吉川 英治
Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans
「あっ、這奴は弓の名人※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
身を、馬のたてがみへ俯っ伏せたすきに、すでに花栄の姿は雲林の裡に消え去っていた。
あちこちにおける部下と賊兵の小ぜり合いは、らちゃくちゃもない。彼は一たん兵を平野へ下げて兵糧をとり、再度山へ攻め登った。
「オオ。西の峰だぞ、あのドンチャンな銅鑼や鬨の声は」
しかし、秦明がその西の峰を、えいえい声で攻めて行くと、応えは谺ばかりだった。
「ヤッ、賊は東谷の向うです。谺のせいで、西に聞えたのかもしれません」
部下の注意に、きっと谷向うを見渡すと、なるほど賊の紅旗が見える。
「それ行けっ」
だが、道を急ぐだけでも、百難の思いがあった。細い杣道にはわざと大木を伐り仆してあり、枯れ柴を踏めば、陥し穴ができている。
その上、からくも沢を渡って、東の峰へたどりついてみると、何としたこと! ここにも人の気はないのである。森閑として春浅き樹海にはただ鳥の音が澄んで聞えるだけだ。
「くそうっ。この秦明を小癪な偽計でたばからんとするのだな。いまにみろ」
一ト息入れるまもなかった。またたちまち、百雷のような銅鑼の乱打がどこかでする。