Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しん・すいこでん

新・水滸伝

吉川 英治

Lisez 新・水滸伝 (しん・すいこでん) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 684 899 caractères · 1374 écrans

Aozora Bunko

「えっ、舟がある?」

「たのんでみよう。……おい船頭さん、たすけてくれ。金はいくらでもやる。無事な所まで渡してくれ」

「なんだと。どこのどいつだい」

船頭の声だった。舟底に横たえていた酒くさい体をむっくり起すとともに、ぎょろと、三人の影を眼で一ト舐めして、

「乗ンな」

と、かろくいった。

「ありがたい」

拝むばかりな、あわてかたで、三人はすぐ飛びのる。李万は旅の荷物をどさりと下ろし、張千は首枷をおいて、手の水火棍(警棒)で船頭の棹と一しょに岸を突いた。

ゆらゆらと、舟はひろい水面に出る。船頭は棹をすてて櫓に持ちかえた。するともう、さっきの鋭い指笛がまた近くで闇をツンざいた。いちど行きすぎた松明やら二十人ぢかい人影は、たちまちそれと知って引っ返してきた。

「おうーい、船頭、その舟をやッちゃあいけねえぞ」

「もどって来いよっ。引っ返せ」

「返さねえと、ただはおかねえぞ。やい船頭、船頭っ」

気が気でない。生死は船頭の返辞一つにかかっている。

舟中の宋江たち三人は手をあわさんばかり、わななき声を念じ合った。

「もどるな、船頭さん」

「後生だ、もどっちゃいけない」

「あの悪者につかまったら殺される。