Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

「そうだ、あの親船が返ってくれば、もう最期の運命、逃げるなら、いまのうちだ」

きッと、心をけっして、頭をもたげてみると、もう夜あけに近いころとみえて、寝ずの番も頬杖をついていねむっている。

「む!」はね起きるよりはやく、ばらばらと、昼みておいた小船のところへ走りだした。ところがきてみると、船は毎夜、かれらの用心で、十間も陸の上へ、引きあげてあった。

「えい、これしきのもの」

伊那丸は、金剛力をしぼって、波のほうへ、綱をひいてみたが、荒磯のゴロタ石がつかえて、とてもうごきそうもない。――ああこんな時に、忍剣ほどの力がじぶんに半分あればと、益ないくり言もかれの胸にはうかんだであろう。

「野郎ッ、なにをする!」

われを忘れて、船をおしている伊那丸のうしろから、松の木のような腕が、グッと、喉輪をしめあげた。

「見つかったか」伊那丸は歯がみをした。

「こいつ。逃げる気だな」

喉に閂をかけられたまま、伊那丸はタタタタタと五、六歩あとへ引きもどされた。

もうこれまでと、脇差の柄に手をやって、やッと、身をねじりながら切ッ先をとばした。

「あッ――き、斬りやがったなッ」

とたん――目をさましてきた四、五人の手下たちも、それッと、櫂や太刀をふるって、わめきつ、さけびつ撃ちこんできたが、伊那丸も捨身だった。