Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
その剣光のあいだに、小太刀ひとつを身のまもりとして、斬りむすび、飛びかわしする伊那丸のすがたは、あたかも嵐のなかにもまれる蝶か千鳥のようであった。しかし時のたつほど疲れはでてくる。息はきれる。――それに、多勢に無勢だ。
「そうだ、こんな名もない土賊どもと、斬りむすぶのはあやまりだ。じぶんは武田家の一粒としてのこった大せつな身だ。しかもおおきな使命のあるからだ――」
と伊那丸は、乱刀のなかに立ちながらも、ふとこう思ったので、いっぽうの血路をやぶって、いっさんににげだした。
「のがすなッ」
と野武士たちも風をついて追いまくってくる。伊那丸は芦の洲からかけあがって、松並木へはしった。ピュッピュッという矢のうなりが、かれの耳をかすって飛んだ。
夕闇がせまってきたので、足もともほの暗くなったが松並木へでた伊那丸は、けんめいに二町ばかりかけだした。
と、これはどうであろう、前面の道は八重十文字に、藤づるの縄がはってあって、かれのちいさな身でもくぐりぬけるすきもない。
「しまった」と伊那丸はすぐ横の小道へそれていったが、そこにも茨のふさぎができていたので、さらに道をまがると藤づるの縄がある。