Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

「えい、泣くなッ」

と叱りつけた菊池半助。いったい、この厄介者をなんに利用しようとするのか、むんずと横脇にひっかかえて馬の鞍壺にとびあがり、つるべうちの鉄砲を聞きながして、人無村から闇の裾野へ、まッしぐらに、逃げおちてしまった。

いっぽう、蚕婆の家の床下から、人穴城の間道をすすんでいった加賀見忍剣と巽小文治。

瞳はいつか闇になれたが、道は暗々として行く手もしれない。冥府へかよう奈落の道をいくような気味わるさ。ポトリ、ポトリと襟もとに落ちてくる雫のつめたいこと。たえず、冷々と面をかすめてくる陰森たる風、ものいえば、ガアンと間道中の悪魔がこぞって答えるようにひびく。

――と、つねに沈着な巽小文治が、ふいに、「あッ」とさけんで一歩とびのき、片手で顔をおさえてしまった。

「どうした、小文治どの」

「なにか風のようなものに、さっと面をふかれたその痛さ。忍剣どのもかならずごゆだんなさるまいぞ」

「そんなバカなことがあろうか、あれは年へた蝙蝠のたぐいじゃ」

と入れかわって、忍剣が、さきに立って二、三歩すすむと、かれも同じように奇怪ないたさに面を刺されて、たちまち片目を押さえてしまった。