Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
「ふしぎや、いっこう行方が知れもうさぬ。どうやらすでに風をくらって、逃げ失せたのではないかと思われる」
「といって、この家の四ほうは、二重三重に取りかこんであるから、かれらのしのびだすすきもないが」
「どこかに間道らしい穴口でもないかしら」
「それもわしが手をわけて尋ねさせたが、ここに一つの空井戸があったばかり」
「なに空井戸?」
と龍太郎がとび降りてきて、
「ウム、こりゃあやしい、どこかへ通じる間道にそういない、なかへはいってあらためて見よう」
「いや、念のために、ただいまわしが石埋めにしてしまった」
と、忍剣はしたり顔だが、龍太郎はじだんだふんで口惜しがった。呂宋兵衛や敵の主なるものが、この口から逃走したとすれば、この空井戸をふさいで、どこからかれらを追跡するか、どこへ兵を廻しておくか、まったくこれでは、みずから手がかりの道を遮断してしまったことに帰結する――と憤慨した。その理の当然に、忍剣もすっかり後悔して、しばらく黙しあっていた。
すると、はるか北方の森にあたって、とぎれとぎれな笛の音が高鳴った。
――おお、それは、幻の陣をしいて鳴りをしずめていた咲耶子が、かねて手はずをあわせてある合図の笛。