Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
「さてと、ことしは天正十年、もう十二月だな……」
この海を見、この異国情調をながめても、呂宋兵衛には、詩をつくる頭もないと見え、みょうなことをつぶやいている。
「天正十年、――へんな年だッたな、ばかに天下をかきまわした年だ。まずちょっとおもいだしたところでも、春早々、甲斐の武田が亡ぼされ、六月には、信長が本能寺で焼打ちにあった。うまくやったのは猿面の秀吉、山崎の一戦から柴田も佐々も滝川も眼中になく、メキメキ羽振りをあげたが、ずるいやつは徳川家康だ。どさくさまぎれに、甲州から信濃の国をわが物にして、こっそり領分をふくらませてしまった。――だが、まずゆくゆくの天下取りは、どうしても秀吉だろうな。北ノ庄の柴田勝家、こいつもなかなか指をくわえてはいまい。いまに秀吉と、のるかそるかの大勝負だ。……ウム、のるかそるかは俺のこと、手ぶらで都入りも気がきかない。手近なところでなにか一つ、秀吉のやつに取りいるお土産を、かんがえようか……」
その時、コツコツ扉をたたく者があった。
「オイ、兄貴、いねえのか、寝ているのか!」
「だれだ」
「龍巻だ、あけてくれ」
「いや、こいつはすまなかった」