Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
すぐおれもここを立つとしよう」
「するととうぶんお別れだが、秀吉公へ取りいったら、おれもお船手の侍大将かなにかになれるように、うまく手蔓をしてもらいてえものだな」
「野武士だろうが海賊だろうが、人見知りをせず味方にする秀吉だから、おれが上手に売りこんで、龍巻壱岐守ぐらいにはしてやるよ。まあそれを楽しみにしているがいい」
「あ――厦門船がでやがった」
窓口から港をながめて、龍巻はにわかに立った。そしてせわしい別れをつげ、部屋からかげを消したかと思うと、やがて、海賊の巣である異人屋敷の裏手から、一艘のはしけを矢のごとく漕がせていった。
「ははあ、紅帆船は、むこうの岬のかげにかくれているんだな」
それを見つつ、呂宋兵衛も伴天連の黒服をつけ、首に十字架をかけて、ふところには短刀をのんだ。さて、すっかり身支度がおわると、バタバタ窓をしめて、かれもこの家を立ちかけたが、門口でフイと一つの忘れ物を思いだした。
「針……針……針がいたッけ……」
呪文のようにつぶやくと、クルッと踵をかえして、うす暗い石段をスルスルと地の底へ――
二
陰湿な穴蔵部屋、手さぐりで近寄ると、鉄格子の錆がザラザラ落ちた。