Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

「おまえは、それも知らずに歩いているのか。子供ってえものはたわいのねえものだ。ここはおまえ、甲斐の信玄と家康さまとが、鎬をけずった有名な戦場で、――ほれ、三方ヶ原というところだ」

「あ、ここが、三方ヶ原でございますか。――なるほど、広いもんだなあ。そして、おじさんたちは、やっぱり徳川さまのご家来ですか」

「そうよ、おれたちは、浜松城の足軽組だ」

「いまごろから、あんな青竹や松明をたくさん車につんで、いったい、どこへおいでになりますので?」

「おれたちか……」足軽は、ちょッといやな顔をして、

「これから都田川の手まえまでいって、夜明かしで、人の死に場所をこしらえにかかるんだよ」

「へえ、人の死に場所を」

「うむ。つまり、刑場のしたくにゆくんだ」

「ああ、それで、矢来にする竹や丸太や、獄門台をつくる道具をかついで、みんながさっき向こうへいったんだな」

「そうだ、おまえも、こんなこわい話を聞いてしまうと、たださえさびしい三方ヶ原が、よけいにさびしくなって歩けなくなるぜ。だがまだいまのうちなら、夕陽がキラキラしているからいい、はやく、いそいでゆくことにしねえ」

クルリとふり向くと、さきの者とは、だいぶ距離ができたのにびっくりして、足軽の男は、急にいそぎ足に別れかけた。