Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
「そうだ!」と蔦之助も嘆声をあわせて、
「このうえは、砦にのこる兵をあげて、小勢ながら裾野へくだり、怨敵家康の城地へ、さいごの一戦を」
みなまでいわせず、民部は首をよこにふった。
「そのとむらい合戦なら、すこしも、いそぐことはありますまい。いつでもできることじゃ」
「といって、むなしく、手をつかねておられましょうか」
「むろん、どうにか工夫をせねばならぬ。しかし、人数をくりだして、とおく浜松へ着くころには、若君のお命が、すでにないものと思わねばならぬ」
「おお、それもごもっとも」
と、蔦之助はまた悶々とだまって、いまはただ、この民部の頭脳に、神のような明智がひらめけかし、とジッと祈るよりほかはなかった。
「ともあれ、若君のご一命や忍剣や龍太郎を、いかにせば救いうるか、それが目睫の大問題であると思う。いたずらに最後の決戦をいそいで、千や二千の小勢をもって、東海道を攻めのぼったとて、とちゅうの出城や関所でむなしく討死するのほかはない。それでは、きょうまでの臥薪甞胆、伊那丸君のおこころざし、すべては水泡となり、また世の笑われぐさにすぎぬものとなる」
やはり民部の説は常識であった。