Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

民部は伊那丸を勇士猛夫の部類には育てたくなかった。器の大きな、徳のゆたかな、品位と天禀のまろく融合した名将にみがきあげたいと念じている。

伊那丸はそうして最後を見ていた。

しずかに、覚悟の機会を待っていた。

いくら、追っても斬りふせても、三方ヶ原からわいてでる敵の人数は、少しもへっていくとは見えない。

そして、都田川を背水にしいて、やや、半刻あまりの苦戦をつづけていると、フイに、思いがけぬ方角から、ワーッという乱声があがった。

「それッ、獄門の御首級をうばえ」

「うぬ、伊那丸さまのかたきの片われ!」

と、馬首をあげておどってきた影! 黒々とそこに見えた。

そのまッ先に乗りつけてきたのは、朱柄の槍をもった巽小文治である。

「退けどけどけ、邪魔するやつはこの槍を呑ますぞ」

とばかり、まっしぐらに獄門台の前まできたが、

「やッ、み首級がない!」

「なに、み首級がないと? さては逃げたやつらが素早くどこかへかくしたのだろう。それ、向こうの河原に馳けたやつを引きとらえてみろ!」

蔦之助は馬上からそこの高札を引きぬいてふりかざし、どっと、十四、五間ほどかけだしたが、あッ――と思うまに蔦之助、くぼの草かげから閃めいた銀鞭にはらわれて、馬もろとも、ドーンともんどり打ってたおれてしまった。