Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
「や、や、これは? ……」
と井楼の梯子を登ってみると、そこにも、眼を光らしていなければならないはずの見張役が、やぐら柱の根もとに、爪を立ったまま、息が絶えていた。
「毒! ……」
裏切り者のおそろしい詭計をさとって、彼女は、慄然となる胸をだきしめた。
と同時に咲耶子はまた、自分と竹童の肩にあずけられている責任をつよく思う。
「もしも、一党の方々のかえらぬ留守に、このとりでを失うようなことがあったら――」と。
そう考えるだけでも、ふさふさした黒髪が夜風に逆立ちそうだった。
「オオッ」とわれにかえると咲耶子。
「――この山城は三段郭、奥の砦のものは毒水をのんでたおれたにしろ、まだ八合目の外城のものは、無事でなにも知らずにいるかも知れない」
そう気がついて、やぐら柱にかけてあった陣貝の紐をはずし、金嵌の法螺貝にくちびるをあてて、息のあるかぎり吹いてみる。
バウー……バウウウウ……ッ。
序破急に甲音三声、揺韻をゆるくひいて初甲の音にかえる、勘助流陣貝吹き、「変アリ部ニツクベシ」のあいずである。
だが、さけんで反応がなかったように、その貝がとおく八合目へ鳴りひびいていっても、外城の柵から、こたえ吹きの合わせ貝が鳴ってこなかった。