Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans

Aozora Bunko

「ばかをいえ、さような者はここらにいない」

「たしかに生きているはずです。それは、友だちともうしても、ただの人ではありません。クロともうす大鷲、それをひと目見たいのでございます」

「だまれ。あの黒鷲は、当山を攻めおとした時の生捕りもの、大せつに餌をやって、ちかく浜松城へ献上いたすことになっているのだ、汝らの見せ物ではない。帰れというに帰りおらぬか」

ひとりが腕、ひとりが襟がみをつかんで、ずるずるとひきもどしかけると、忍剣の眉がピリッとあがった。

「これほど、ことをわけてもうすのに、なおじゃまだてするとゆるさんぞ!」

「なにを」

ひとりが腰縄をさぐるすきに、ふいに、忍剣の片足がどんと彼の脾腹をけとばした。アッと、うしろへたおれて、悶絶したのを見た、べつな侍は、

「おのれッ」と太刀の柄へ手をかけて、抜きかけた。

――それより早く、

「やッ」と、まッこうから、おがみうちに、うなりおちてきた忍剣の鉄杖に、なにかはたまろう。あいては、かッと血へどをはいてたおれた。

それに見むきもせず、鉄杖をこわきにかかえた忍剣はいっさんに、うら山の奥へおくへとよじのぼってゆく。――と、昼なおくらい木立のあいだから、いような、魔鳥の羽ばたきがつめたい雫をゆりおとして聞えた。