Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lisez 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 511 765 caractères · 1011 écrans
かれの目はしきりにうごいて、うしろの樹立をすかしたり暗緑な境内を見まわしたりしたが、ついに、そこからなにものも見いだすことはできなかった。――たださいぜんから明らかに知っていて、べつに気にも止めなかったのは、鳥居の横木にうずくまっている一羽の灰色の鳥だった。
ところが、かれの鼻のさきへ、上から額縁の矢が抜けて、ポーンと落ちてきたので、眸をこめて見なおすと、その灰色のかげが鳥ではないのがはじめてわかった。
衣のような物をきている人間だ。鳥居の横木に腰をおろし、杖のようなものを持っているあんばい。
矢を落として、するすると横木の端へはいだしてきた。
銀のような髯が頤からたれて風をうけているのが、そのときには、下からもありありと仰がれた。老人はやがて椋の梢にすがって、蜘蛛がさがるようにスルスルと降りてきた。
「あッ、あなたは果心居士先生」
「小文治、ひさしく相見なかったの」
「どうして、あんなところに」
「まあよい、そこへすわれ」
すわって話しこむどころの場合ではないが、ついぞここしばらくのあいだ、一党の人に影もすがたも見せないでいた果心居士が、こつぜんと、そこに立ったのであるから、小文治もぼうぜんとして、思わず、腰をついてしまった。