Classiques japonais avec furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十)金色の処女
野村 胡堂
Lisez 銭形平次捕物控(十)金色の処女 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 137 868 caractères · 278 écrans
「これは?」
ツイ唇をついて出た言葉、頬の色は半面を包んだ繃帯よりも白く見えます。
「娘はとうとう相果てました、曲者の手に掛って、たった十九で――」
多賀屋勘兵衛は絶句しいしい、教わったせりふのように、こう言うのです。
「それで、私は、私は?」
「祝言の杯事をするのだ。あんなに焦がれた仲だもの、せめて三三九度でも済まさなきゃ浮び切れまい」
平次の声は妙に荒っぽく響きました。
「…………」
寂とした一座、ともすれば、滅入るような緘黙が続きそうでなりません。
「さア、早桶の蓋を払って、花嫁の最期の姿と対面してくれ」
平次は後ろからせき立てます。
「…………」
思わず尻ごみする錦太郎。
「解らねえ聟じゃないか、三三九度は偽首じゃ勤まらないよ」
ガラッ八は後ろから抱きすくめるように、早桶の傍の座に錦太郎を引据えました。
「そんなに遠慮するなら蓋は俺が取ってやろう」
平次は早桶の側に寄ると、その蓋を取って、桶ごとパッと引っくり返しました。
「あッ」
中から現われたのは、お福の死骸と思いきや、――血の付いた匕首と、ガラッ八の脇差と、便所の草履と、それから、最後に一つ、血に染んだ手拭が一と筋。