Classici giapponesi con furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Leggi 浅草風土記 (あさくさふどき) di 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.294 caratteri · 318 schermate
私も、本年、六十一歳になりました。先年、先生が還暦をお迎えになりましたことを人づてに承知いたし、お祝いを申上げたいと思いましたが、私ごときものが却って失礼と存じ、心の中で、かげながらお喜び申しておりました。
先日、新聞にて、先生の大きなお写真を拝見いたし、そのお元気なおすがたに接し、うれしくて、うれしくてならず、おなつかしさのあまり、この手紙、さし上げますしだいです。どうぞ、ますますおん身大切に、演劇のためにおつくし下さいまし。折あらば、お目にかかれるときもあろうかと思っております。
まずは、右、先生はじめ、御家族御一同さまの御健康をお祈り申上げます。
十二月吉日
鈴木友治こと
昔の友達、足袋屋の友ちゃんより”
ぼくは、この手紙をみて、すぐにもこの旧友に逢いたくなった。この旧友の、いまだにまだ、むかしのまま……六十年まえのまま、震災もうけたであろう、戦災にも逢ったであろうのに、敢然、浅草広小路の一角に住んでいることがわかったからである。友ちゃんのこのたよりは……この声は、とりも直さず故郷からの……父祖の地からの呼び声のように、ぼくの胸にひびいたのである。