Classici giapponesi con furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Leggi 浅草風土記 (あさくさふどき) di 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.294 caratteri · 318 schermate
それがよくわかるので……
“偶々むかし、ひょうきんな洋傘屋あって、赤い大きな目じるしのこうもり傘を、屋上高くかかげたことが、うち晴れた空の下に、遠く雷門からこれを望見することが出来たといっても、誰ももう、それを信じないであろう。それほど、いまの広小路は、ざったな「色彩」に埋もれている。強い、濃い、「光」と「影」との交錯に溺れている。……ということは、古く存在した料理店「松田」のあとに、カフェー・アメリカ(いま改めてオリエント)の出来たばかりの謂いではない。そうしてそこの給仕女たちの、赤、青、紫の幾組かにわかれている謂いでも、勿論ない。前記、書林浅倉屋の屋根のうえに、「日本児童文庫」の厖大な広告を見出したとき、これも古い酒店さがみやの飾り窓に、映画女優の写真の引伸しの貼られてあるのを見出したとき、そうして本願寺の、震災後まだ、かたちだけしかない裏門の、「聖典講座」「日曜講演」の掲示に立交る「子供洋服講習会」の立札を見出したとき、わたしの感懐に背いて、いよいよ「時代」の汐さきに乗ろうとする古い町々をはっきりわたしは感じた。――浅倉屋は、このごろ、その店舗の一部を割いて、新刊書の小売をはじめたのである。