Classici giapponesi con furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Leggi 浅草風土記 (あさくさふどき) di 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.294 caratteri · 318 schermate
そして、右っ側の町々は四つの横町(源水横町、これという名まえのついていない横町、大風呂横町、そして松田の横町)を、左っ側の町々は、二つの横町(伝法院横町、ちんやの横町)と、いくつもの露地(そのなかで、比較的大きく、広小路と公園とをつなぐ役目をしていたのが、前記“さがみやの露地”と“浅倉屋の露地”で、あとは行きどまり、あるいは、行きどまりどうぜんの、不揃いな長屋の縦横に立並んだ細い道だった)をもっていた。
右っ側と、左っ側とでは、すなわち北側と南側とでは、左っ側のほうが、開放的で、にぎやかだった。一つには、これは、小さな店……とくに食いもの店がこまごまと並んで、公園に近い感じ、雷門に近い感じを、自らそこにうちだしていたからである。それにひきかえ、右っ側は、松田をはじめ、ふじや、柳屋、浅草館等、間口の広い、大きな構えのものが多いのと、薬屋だの、砂糖屋だの、金物屋だの、カタギの、実直な商売屋ばかりかたまっていたのとで、どこかしッとりと落ちついていた。とりわけ吉見屋のもよりは、その店の、つねにピッタリ入口の格子を閉めていた森閑さにうたれ、ともすれば人あしも絶えるおもいに、春昼、ちらちらと陽炎が立迷った。