Classici giapponesi con furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Leggi 浅草風土記 (あさくさふどき) di 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.294 caratteri · 318 schermate
しかも、当時の書類をみると、べつに、“境内、地借家、十六軒”が書上げてある。……黙阿弥(当時、まだ、河竹新七の、黙阿弥になったのは、ずっとあとの明治十四年、六十六のときだったのだが)の住居も、黙阿弥が店びらきの報条を書いた“ねじやか堂の裏長家、手狭な宅へ蒲焼と、世間並の行燈かけた”小料理屋も、つまりは、その十六軒のなかに入っていたのだろうが、果してそれが、その境内が、どんな光景をもっていたか、口惜しいが、ぼくには、それに似よりの舞台面をさえ目にうかべることができないのである。ぼくには、ただ、ぼくの少年の日の記憶の中の“仲見世”の裏通りに、いくつかの小さな寺の門が並んでいたのと、その寺の一つが閻魔堂だったことだけをおもいだすことができるのみである……
と、たまたま、あるところでぼくのいったとき、
――その閻魔さまも正智院にあったので……
と、おなじ席にいた網野宥俊さんにいわれた。……網野さんは、浅草寺の坊さんで、『浅草観音の話』その他の著書をもつ、浅草寺切っての、篤学、有識の士である。
これよりさき、前記、南谷の、東側、正智院以下の諸坊舎、西側、梅園院以下の諸坊舎の、その間々をつないだ築土塀。