Classici giapponesi con furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Leggi 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 511.765 caratteri · 1011 schermate
のこえは、陣屋の内外にあふれて、まことこれこそ極楽の景色かと、見るからにただ涙ぐましい。
かくて、民の平和をながめたうえで、伊那丸をはじめ幕下の人々、一千の軍兵、おもいおもいに屯をかまえ、はじめて朝の兵糧をとった。
勝戦のあとの兵糧――その味はまたかくべつ。
そしてきょう一日は、夜来一睡もせぬ兵馬のため、陣やすみという触れ太鼓がなる。
ところへ、ションボリした顔で、陣屋のうちへ、力なくかえってきた鞍馬の竹童。
こんな元気のないことは、竹童として稀有なことだ。
「オオ、どうした竹童!」
「竹童が見えた、竹童がもどってまいった」
さっきから、士卒を八方にやって、その行方をたずねさせていた龍太郎や忍剣らは、栄光の勇士を迎えるように手をとって、狼煙のてがらを褒めたたえた。
ことに伊那丸は、竹童かえるの声をきくと、みずから幔幕をしぼってそれへ立ちいで、人穴城いらいの功を称揚して、手ずから般若丸長光の脇差を褒美として、かれにあたえた。
主君から刀をさずけられたのは、武士の資格をゆるされたもどうよう、竹童もきょうからは幕下のひとりである。なりこそ小さいが、押しもおされもせぬ伊那丸の旗本。