Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「釘勘!」
悲痛な一語。
いきなり前差の柄に手をかけると、金吾は抜く手も見せぬ勢いで、
「万太郎様へこの通りと、よしなに、犬侍の終りを言伝いたしてくれい」
あわやです、われとわが腹へその切ッ先を。
「あッ」
と驚いた釘勘。
前もってこんな事になろうかと油断はしていませんでしたが、さて実際にこうなってみると、かれもあわてて取っ組むように、金吾のうしろへかぶりついて、
「ばッ、ばかなまねをしなさんな。だからおら侍は嫌えだ。侍くらい理屈のわかりそうな顔をして、ものの分らねえハンチクはありゃしねえッ」
「放せッ、放してくれ釘勘」
「じょ、じょうだんいっちゃいけねえや。ここでおめえさんを殺すくらいなら、なアに、人間一生、どうころんだって五分と五分、お粂の間夫で暮らしているのも悪かあねえから、あっしだって、知って知らない振りをして見ていまさあね。……だ、だがさ。そうならねえのが義理とかヘチマとかいう浮世で、あっしもお前さんも、お互いに苦しいところだが、また少しゃアそこで武士とか男とか味噌を持って生きていられるところじゃございませんか」
思わずはいる力が、金吾の腕くびの骨をにぎりくだきそうにして――