Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate

Aozora Bunko

「おじさん、懸人って、なんの事?」

「居候のことさ」

「すると、おいらも居候なんだね」

「おまえは、居候のまた居候」

次郎を相手に他愛なく襟を剃らせながら笑っているところへ、

「へへッ」

と、襖を開けて玄堂が平伏しました。

次郎に襟を剃らせながら、万太郎は不審そうな顔をして、

「だれだい? そこでお辞儀をしているのは」

と、たずねたものです。

平伏した者は、畳に額をすりつけたまま頭も上げ得ないで、

「主の玄堂めにござります」

「あ、御主人であったか。永いこと世話になった上、おかげで傷も本復、わしの方から改めて礼を申さねばならんところを、何だって左様な真似をなさる。さ、手を上げて下さい、お手を」

「勿体ないおことば、いよいよ恐縮仕ります。元々、御身分を承知しておれば、かような御無礼もいたさぬものを、さる高貴のお方とは知らず、先頃からの不作法、何とぞ御仁慈を以て、おゆるし置き下さいますように」

「はてな」

と、万太郎が首を上げましたから、次郎も剃刀を離して、同じように、玄堂のしかつめらしい有様に見とれています。

「はて、どうしたものでござる御主人」

「見るかげもない藪医者を、御主人などと、若殿のお口から滅相もないことで」