Classici giapponesi con furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Leggi 浅草風土記 (あさくさふどき) di 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.294 caratteri · 318 schermate
その時間に限って女が一しょなのである。男女共学なのである。――入らざるよそ外の奴たちのまえにかかなくってもいい恥をかき、うしなわなくってもいい面目を失ったわたしに、そのままぼんやり腰をかけたわたしに、その教室(とはほんとうはいわなかった、その時分まだ教場といっていた)の、どこもすっかりせいせいとあけッぴろげた三方の窓、その窓々の白い金巾のカーテンをふき抜いて来る午後の風があくまで無心にやさしかった。
わたしは眼をそらした。
そのカーテンのかげに、七月のあかるい濃い空が、カッとした、燬きつくような感じにひろがっていた。
不思議とそのけしきを、夢のように、いまだにわたしはおぼえている。
が、それ以来、わたしにとって香取先生は怖い先生になった。それまででも怖くないことはなかったけれど、すくなくもそれ以来、はッきりと怖くなった。ごまかしのきかない先生、油断の出来ない先生、だらしのないことの大嫌いな先生として、わたしばかりでなく、外のものでもみんな気ぶッせいがった。――ということの一つは、そのときの、われわれ高等三年担任の先生が音無しすぎるほど音無しい先生だったからである。