Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あさくさふどき

浅草風土記

久保田 万太郎

Leggi 浅草風土記 (あさくさふどき) di 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.294 caratteri · 318 schermate

Aozora Bunko

三

ここで、一度、ぼくは、戦争中の仲見世をふり返ろう。

三

戦争中、昭和十九年の六月から九月にかけて、ぼくは、東京新聞に「樹蔭」という小説を連載した。

東京を喰いつめて、満洲へ遁れ、奉天で日本料理屋をはじめて成功した五十吉という男が、十五年ぶりで東京に帰って来たのを大根にした話で、作者は、一日、この男に、浅草をあるいてみせた。そして、作者は、五十吉にかわって、その感懐を、つぎのように記述した。

“「そうか、やッぱり……」

とは、

「そうか、やッぱり、ここも……仲見世も戦争しているのか。」

である。……わかり切ったことが……あたりまえすぎるほどあたりまえのことが、いまさらのように、五十吉の胸にしみた……

が、それにしても、みえも外聞もなく戸をしめて、歯のぬけたように休んでいるところどころの店。……右をみても、左をみても、いやでも目につくそれらの店。……しらじらとかわいた石だたみ。……しかもその摧かれたゆめのはざまを、参詣者だけは、ぞろぞろ群をなしてあるいている。……そして、その行くての空に、伝法院のいちょうの額ずくごとき茂りの影をしたがえた仁王門が……これだけは昔ながらの丹の褪せたすがたが、おりからの夕日に映えて、