Classici giapponesi con furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Leggi 浅草風土記 (あさくさふどき) di 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.294 caratteri · 318 schermate
はつねに月である……
「が、いけない、もっと陽気が塞くなくっちゃァいけない」
わたしの連れの一人はいった。
「そうとも。――もっと下駄の音が凍てて聞えなくっちゃァうそだ」
すぐまた一人が賛成した。
「そんなことをいったら吉原に菊の咲いているのが一番間違っている。――あれじゃァ秋の光景だ。――『冬のはじめ』でなくって『秋の末』だ」
それに対してまたわたしはいったのである。「酉の市」というもの、いままでわたしにとって冬の来たという可懐しいたのしい告知以外の何ものでもなかった。「酉の市という声をきくとすぐに、霜夜ということばを、北風ということばを、火事ということばを誰もが思い遣った」の「霜のいろと一しょに寒さは日に日に濃くなり、ほうぼうにもう夜番の小屋が立って、其時分から火事の噂が毎晩のように聞えだしました。――ことに今年は三の酉まであるから火事が多いだろうということがいつものことで誰にも固く信じられました」のと、いままで始終そうしたことを書いて来たわたしである。
本街道はいかほどにぎやかでも、一ト足そこをわきへそれるとうそのようにしずかになるのがそうした晩(「年の市」