Classici giapponesi con furigana
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あさくさふどき
浅草風土記
久保田 万太郎
Leggi 浅草風土記 (あさくさふどき) di 久保田 万太郎 (くぼたまんたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.294 caratteri · 318 schermate
というべくはあまりに近代式な邸宅がそれぞれ、いま、工事をいそいでいる。――わずか一二けんだけ残った今戸焼屋が、なにがし製陶所と看板をあげ、古い菓子屋の「塩瀬」が、おもての硝子戸に「喫茶」としるし、そうして、建ち直った新しい家つづきの、軒並、小鳥を、飼って啼かしている……
うかうかとわたしは、もとの小松の宮さまのまえまであるいた。そうして、そうだ、長昌寺はどうした? そう思ってあとへ引き返した。みつからなかった。まさかになくなるわけはないと思って、二三度同じところを行ったり来たりした。――が、肝心の、その大きな門のみ通しにみえた横町をさえ、わたしはさがすことが出来なかった。
あきらめて、わたしは左へ切れた。そのまま橋場へ伸すよりも、いい加減で山谷へ出たほうがいいと思ったからである。すなわちもとの喜多村緑郎のうちのまえの狭い横町……だったのが、いまはそれもまたみ違えるように広くなった横町、そこに立てられた工事用の制札のおもてによれば「第四一地区補助街第三九号路線」のほうへわたしは曲った。いかにも「出来たて」の感じに一めん荒い砂利を敷きつめた道を、あるきにくくしばらくあるいたとき、わたしは、ふとそこに寺の境内らしい空地の左手にあたって拡っているのをみつけた。