Classici giapponesi con furigana
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てりはきょうげん
照葉狂言
泉 鏡花
Leggi 照葉狂言 (てりはきょうげん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.730 caratteri · 100 schermate
仮小屋
一
すかし見る框の上に、片肌脱ぎて立ちたるは、よりより今はわが伯母上とも行交いたる、金魚養う女房なり。渠は片肌脱ぎたるまま、縄もて後手に縛められつ。門に出でし時、いま一人の警官後より出でて、毛布もてその肌蔽いたり。続きて染の顔見ゆ。あとなるは伯母上なりき。
仮小屋
一
楽屋なる居室の小窓と、垣一重隔てたる、広岡の庭の隅、塵塚の傍に横わりて、丈三尺余、周囲およそ二尺は有らむ、朽目赤く欠け欠けて、黒ずめる材木の、その本末には、小さき白き苔、幾百ともなく群り生いたり。
指して、それを、旧のわが家なる木戸の際に、路を蔽いて繁りたりしかの青楓の果なりと、継母の語りし時、われは思わず涙ぐみぬ。
「この変りました事と云ったら、まるで夢のようで、私でさえ門へ出ては、時々ぼんやりして見る事がございますよ。ほんに貢さんなんぞ、久しぶりでお帰んなすったが、ちっとも故郷らしい処はありますまい。」と継母は庭に立ちてぞ語れる。
しかり、町の中にても、隣より高かりし、わが二階家の、今は平家に建直りて、煙草屋の店開かれたり。扇折の住みし家は空しくなり、角より押廻せる富家の持地となりて、黒き板塀建て廻されぬ。