Classici giapponesi con furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Leggi 剣難女難 (けんなんじょなん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 243.807 caratteri · 482 schermate
今夜も、例に洩れず百五十両ほどの持金を取られた揚句がこの始末。折悪しく、その時に限って、こんがらとせいたかも居合せなかったので、どう極りをつけてよいか全く当惑していた。
「場所が白けら、おい、早くどうにかしてくんねえ。伏せた賽と揃えた駒をどうするんだ」
「この一番は拙者が悪かった。どうか勘弁してくれい」
「笑わしちゃいけねえ、勘弁で済むくらいなら、はじめからガミガミ云やあしねえんだ。お、お前の大小を金のかた代りに張りねえ」
「さ、こればかりは……」
さすがの新九郎も、武士の魂を賭場の駒がわりにするまで性根が腐っていないらしい。が、胴元も張手も、こっちの足もとを見抜けば見抜くほど、仮借もなく恥かしめてくる。
「皆さん、ちょっとご免なさいまし」
場が白けているところへ、隣り部屋から女の声がして、スッと中の仕切戸が開いた。
「おお、姐御でしたか――」
「大層話が難かしそうですね……」
と、ふわりとそこへ立膝で坐った阿娜者。頭巾で顔を包んでいるので、誰とも分らないがチラと場の駒と、新九郎の様子を見較べて、
「女の出る幕じゃないけれど、いつまでない袖を振れの何のと云っていたところで、どうなるもんじゃありゃしない。