Classici giapponesi con furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Leggi 剣難女難 (けんなんじょなん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 243.807 caratteri · 482 schermate
六
そしていよいよ今夜こそ、生不動の仕返しに、笊組の目星い奴等を、鏖殺しにしてくりょうと、いきまきながら、杯を廻している。
すると――襖一重の隣り座敷に、先刻から耳を澄まして、新九郎の話を偸み聞きしていた一人の侍。
黒の頭巾に黒羽二重の小袖、沈鬱な面を俯向け勝ちに、酒肴を取っても、それには手を触れずじっと身を石のように、居ずくまっていた。
六
しばらくすると忙しなく、とんとんとんと梯子段を踏んで上がって来た人の気配。新九郎の部屋の外に止まって、
「あら、お客様?」
と、阿娜ッぽい声をさせた。
「いや、別に仔細のない者ばかり、遠慮はいらぬから入るがいい」
と新九郎が中から云うと、
「じゃ、皆さんご免なさい……」
身をすり入れて来たのはお延であった。
少し酒の気があるせいか、五年越しの恋が成就して若い男を持ったがゆえ、俄かに上ッ調子になって来たのか、派手派手しい厚化粧をポッと桜色にさせて、様子もどこか浮き浮きと、
「あの……かまわないかしらねえ……?」
「何を」
「さっきの話さ、私ゃ今夜は落着いていられないんだから」
「あのことなら、ここにいるのは拙者の味方、何も憚ることがないどころか、腕を疼かせて待っていたのだ。