Classici giapponesi con furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Leggi 剣難女難 (けんなんじょなん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 243.807 caratteri · 482 schermate
四
と十太夫はしばらく小首を傾げていたが、思い出したように、
「おおただ一名、怖るべき達人がござる」
とはたと小膝を叩いたのであった。
四
高島十太夫が新九郎に語り出した稀代の人物というのは、この山村の渓流を下ること九里ばかりの園部の町に、すばらしい道場を張っている大円房覚明という者のことであった。
彼は京都聖護院の御内の修験者であるから、元より武人ではないが、また世間にありふれた凡庸な山伏とは異なって、羽黒山に籠っては七年の行を遂げ、妙見山に入っては十年の間、切磋琢磨の工夫を積んで、金剛杖と戒刀をもって天下無敵の玄妙を自得したのである。
それを名づけて大円鏡智流と呼び、妙見を下山の後、近畿中国の隈まで巡歴して、到る所の剣道家の道場を踏み破り、みずから役の小角の再来だと称している。それ程であるから、京地の武芸者を初め諸国を渡る武芸修行も、大円房の道場は鬼門にして、たれ訪れる者もないという話であった。
新九郎は聞き終って、寸時も早くその大円房とやらの腕前が見たいと思った。
「これはよいお話を承わった。どうせ京へ上る足ついで、是非その道場を訪れて見ましょうわい」