Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

けんなんじょなん

剣難女難

吉川 英治

Leggi 剣難女難 (けんなんじょなん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 243.807 caratteri · 482 schermate

Aozora Bunko

二

「待て!」

――と女らしい凜とした声。

「大月玄蕃、しばらく待て!」

つづいて呼び止めたのは春日重蔵。一人は言うまでもなく千浪である。ばらばらと駈け寄った。

「な、なにッ……」

目堰笠の裡の玄蕃の顔、思わずサッと蒼味ざして、耳から垂れた鬢の毛がぶるると少しふるえた容子――

二

「ややッ」

思わず二、三歩飛び退いて、笠の前縁をグイと押えた玄蕃は、二人の虚無僧を見るや咄嗟にそれと分っていたが、わざと声を作って、

「えいびっくりいたしたわ、此方は大月玄蕃などと申す者ではない、人違いするな」

白を切ってクルリと身をかえすや否、大股にサッサと歩き出した。

「卑怯であろう玄蕃、今日ばかりは逃がしはせぬ!」

千浪は白鞘の柄を握って、燕のように駈け抜けた。重蔵も懸命に追いすがった。が、当の玄蕃は更に足を飛ばせて一石橋の方へ逃げ出した。が、やがて、頃合い計ってピタリと立ち止まったかと思うと、

「さッ来い、返り討にしてくれる」

振り顧りざま、抜き放った、鬼丸包光の太刀、唸りを生じて、いきなり真っ先に来た千浪の天蓋へザクリッと割りつけた。

「あッ――」

とおどろき声を放ったのは、千浪自身よりは後から来た重蔵の方だった。