Classici giapponesi con furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Leggi 剣難女難 (けんなんじょなん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 243.807 caratteri · 482 schermate
「何だと」
恟ッとしたらしい声で、五つの傘がくるりとこっちへ振り顧った時、続いて、ぬっくと姿を突き出したこんがらとせいたかが、
「やい、臂の久八、荒神の十左、その他の駄武士もよっく聞け。よくも汝等は、生不動を欺し討にして縄張を奪りゃあがったな。因果応報、親分供養の無念ばらしに、今夜こそ片ッ端から、てめえたちの素ッ首を、土手の泥濘へたたき落してくれるから覚悟をしやがれ」
「わはははは、馬鹿野郎め」
臂の久八は、つぼめた傘を片手に持ち代えて、
「誰かと思や、汝等は生不動の乾分共だな。意気地のねえ親分を持ちやがって、その見すぼらしい態も気の毒だが、古風なことを吐かしやがると、神田川のどん底を舐めさせるぞ」
「えい、世囈言は冥途で称えろ」
「野郎、お町奉行の十手預り臂の久八に指でも差しやがると、その分には置かねえぞ」
「押問答無用、こんがらもせいたかも何を愚図愚図しているんだ、こっちは拙者が引き請けたから、その野郎を血祭りに上げてしまえ」
新九郎が励ます声に、おおと、弾かれて大刀を引き抜いた二人、ぱッと足許から泥水を刎ねて、
「久八、後ろを見せるな!」
と、ばかり斬りつける。