Classici giapponesi con furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Leggi 剣難女難 (けんなんじょなん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 243.807 caratteri · 482 schermate
「禰宜様、ご用がおすみなされましたら、奥のお方がお目にかかりたいと仰っしゃります」
「おお、あちらにも誰かお客人か」
「はい、悪い雲助に悩まされて、山駕に召されぬ旅のお女中が二人、一夜の宿を借りたいと仰っしゃいますので、裏のお小屋へご案内しておきました」
「そうか。女ばかりの旅では定めし難儀、ご親切にいたしてあげい」
「はい」
「わしは、もうしばらく後に奥へ行く……」
と左典は巫女の言伝てを返して、また新九郎の方へ向き直った。
「されば、御身が十年の修業を積めば、彼自斎も十年の工夫を進め、御身が二十年の奥儀に至ればかれまた二十年の奥儀を積む理。従って後より名人の域を追い越すには、余程非凡な修業と超人の克己が要りましょうぞ」
「ご尤ともなお言葉、もとより粉骨砕身の苦患は否むところでござりませぬが、ただ如何にせばその域にまで達しられましょうか。あわれ未熟な新九郎を不愍と思してご教訓願わしゅうぞんじます」
「オオ、その謙譲な心こそ、まだお身の腕が伸びる何よりの証拠。とは申せ、わしには何らの力もないが、その一心に愛でて五社明神の神力をお授け申そう。今宵から二十一日の間、夜の五更にここへ訪ねて来られい」