Classici giapponesi con furigana
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けんなんじょなん
剣難女難
吉川 英治
Leggi 剣難女難 (けんなんじょなん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 243.807 caratteri · 482 schermate
必ずとも一念にご出精あれば、天晴れなお手筋になられましょう」
「これは恥じ入るお言葉でござる。しかし、失礼ながら六部殿の唯今のお腕前、これも並ならぬお方とご推察致しまするが」
「いかにも、かかる姿でこれへ参ったも深い仔細のある儀でござるが、とにかくあれなる娘二人を助け返した上、ゆるりとお打ち明け致そう」
と、六部と新九郎は樹に縛られていた二人の娘をほどき、猿轡を解いて家へ帰させた。
「まずそれへお坐りくだされい。ここなれば人目もござらぬ……」
とその後で、六部は雑木林の中へ新九郎を導いた。そこには彼の笈が置き残されてあった。六部はその傍に坐って、
「実は何をお隠し申そう、拙者は亀岡の有馬兵部少輔の家臣、戸川志摩と申す者でござる」
と名乗った。新九郎はさもある人と頷いた。志摩は言葉をつづけて、
「そこもともお聞き及びであろうが、当地の斑鳩嶽に山荘を構えている雨龍太郎と申す奴、多くの浮浪人を狩り集めて、悪業至らざるなき風聞でござるが、とても代官などには取締りもつかず、主人兵部少輔と苦心の上、実は一策をめぐらして、かく拙者が姿を変え、きゃつらの様子を探りに参った次第でござる」