Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「ふ……盗人の菩提心」
「あまり後世の功徳にもなるめえな」
「あたりめえだ。人殺しをしていながら、板子一枚助けてみたところで、閻魔の庁の悪業帳が帳消しにもなるまいて」
「それでだんだん悪事に深入りするのだ」
「まあ、そうかも知れねえ」
「オオ、いい火になった」
「冬のようだな」
「もう初時鳥が鳴く頃なのに」
「そういえば、もう初松魚も出る時分だ」
「――と聞けば、やはりお江戸が恋しくなる」
「恋しいのはお粂じゃあねえか」
「ばかな!」
「あは、は、は、は、は」
と焚き火にてらされた赤い顔が大きな口を開きました。
裾縁をとった野袴のひざをひらき、朱鞘の大小をぶッちがえて、かますの煙草入れを指に挾んでいる四十がらみの総髪の武家。
その風采から眺めますと、平和な御代に流行らない軍学者の廃りものみたいな男ですが、それにしても、ことばが少し下卑ている。
余人でもありません。これは聖天の盗ッ人市にも顔出しをしてた抜け買いの頭領先生金右衛門で、それに対して編笠をかたわらに脱ぎ、あかあかと燃える火に潮風の袖をほしているのは日本左衛門でありました。
「なあ、金右衛門」
お粂の話が出た機にかれはその笑いにまぎらせて、