Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「こんだあ飛んだ交際をさせてすまなかったな」
「なにさ、どうせ当分は江戸から足を抜いているところ、かえっていい保養をしたというものだ」
「うまいことを言う……」
薄ら笑いをして煙をよけながら、
「だが、今夜なんざ、あまりいい保養にもなるめえが」
「このくらいな義理はしかたがない、友情というやつでな――。しかし日本左衛門、よけいな口を入れるようだが、まあ腹の立つところを抑えて、こんどは一つこらえてやるんだな」
「なにを」
「お粂の始末さ」
「…………」
「おめえの身になってみれば、廓から根びきした後も、色恋はべつとして、あの女にはずいぶん金をかけていたようだから、腹の立つのはもっともだが、誰にも、ひょッと気まぐれというやつはあるもの。まして、水性の女を世話する以上は、こんな苦い事のあるのも前から承知でなくッちゃならねえ。怒るのは野暮というもの、それに、大盗日本左衛門という貫禄を小さくすることにもなる」
「……ありがとう、その忠言に礼だけは言っておく」
「いや、まったく」
「だが、この事だけは、黙ッて見ていてもらいたい。すこしおれにはおれの方寸がある」
「どうしても、おめえはお粂を許さないつもりか」