Classici giapponesi con furigana
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
Leggi 江戸三国志 (えどさんごくし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 577.271 caratteri · 1141 schermate
「……お放しッ、この手を」
「いえ、放しますまい。……麓の宿屋で、ゆうべも拙者があんなに申した謎を御理解ないというはずはない。ここで、御返辞を承ろうではございませんか」
「返辞? ……」
「またあんなに空とぼけておいでなさる」
「お前こそ、よい程にたしなむがいい、高麗村に帰ったら、お祖父様に言いつけて上げるから、覚えておいで」
「ああ、お言いつけなさいまし。――夜光の短刀を見出した時は、晴れて添わせてやるぞとは、千蛾老人も御承知のおことば」
「知らない、知らない! 誰がお前などに!」
「いくらそッちで嫌っても、老人の言質を取ってある上に、すでに夜光の短刀のある場所は、着々として、拙者が調べをすすめているから、久米之丞の妻にならぬというわけにはまいるまい」
「よして下さいッ、けがらわしい」
「ふン。けがらわしい? ……」
「お放しッ」
やにわに、月江が爪を立てると、久米之丞は苦もなく捻つけて、
「やかましいッ、声を立てるな」
野獣の野性をあらわして、彼女の体をかかえ込みます。
胸のムカつくような体臭が、彼女の呼吸を圧しました。月江は草叢に倒れながら、懸命に相手の腕を払い退ける。