Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 230.599 caratteri · 458 schermate

Aozora Bunko

涼しそうな二階ねえ。今時分ここにいたのは初めてですから。

私は大分グラついて、本当に何とかしてこっちで仕事しようかと考えましたが、何だかそれもいろいろ無理だし、第一、八月という月一杯、東京にいないという気にもなれず。本屋のこと考えると余りのびていて身がちぢまる思いですが、仕方がないわ、やっぱり東京でやることにいたしましょう。

あなたの眼はいかがでしょう。トラホームの本つきましたろうか。私は大体変りなし。大体という勿体のつけかたは、何となし腸の工合が上々でないというだけです。何しろ大水の出たあとの井戸の水をのんでいるのですからね、いくらも水はのまないけれど。チフスの予防注射の安心が思いがけないところで役に立って居ります。

達ちゃんの盲腸は、その後一向音信なし。音信外出なしというのがこの頃の原則らしくてね。きょう、Tが広島へ部分品を買いにゆくついでに何とかして様子をきいて来るとのことです。友ちゃんもきのう届いた机で達ちゃんへの速達のかきぞめをいたしました。どうせ東京へかえるなら、達ちゃんにもう一遍あえるならあって、そしてかえりたいと思って。徳山仕立の急行でかえります。