Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

たまものまえ

玉藻の前

岡本 綺堂

Leggi 玉藻の前 (たまものまえ) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 130.703 caratteri · 261 schermate

Aozora Bunko

「それは仕合わせなこと。おまえは堅い生まれ付きじゃで、よいお師匠をもたれたら、行く末の出世は見るようじゃ。して、お前も男になって、今もむかしの名を呼ばれてござるのか」

「千枝松という名はあまりに稚げじゃと仰せられて、お師匠さまが千枝太郎と呼びかえて下された。しかも泰親の一字を分けて、元服の朝から泰清と呼ばるるのじゃ」

「千枝太郎泰清……ほんに立派な名乗じゃ。名もかわれば人柄も変わって、むかしの千枝まとは思われぬ」と、玉藻もさすがに懐かしそうに、むかしの友達の大人びた姿を眺めていた。

藻に捨てられた悲しみと、病いにさいなまるる苦しみとに堪えかねて、千枝松は若い命を水の底に沈めようとしたのであったが、運の強い彼は通りかかった泰親に救われた。泰親は彼を憫れんだ。ことに彼の慧しげなのを見て、泰親は叔父夫婦にも子細をうちあけて、彼を自分の弟子として取り立ててみたいと言った。都はおろか、日本じゅうに隠れのない、名家の弟子のかずに入ることは身のほまれであると、千枝松は涙をながして喜んだ。叔父たちにも異存はなかった。

禍いが却って福となった烏帽子折りの少年は、それから泰親の門に入って、天文を習った。